芸能界の体質は古い?清水富美加出家騒動に見る芸能事務所の旧態依然

清水富美加引退報道に見る芸能事務所の特殊な体質

芸能界の体質は古い?

清水富美加さんの出家騒動が大きな波紋を呼び、各テレビ局でも連日この話題を取り扱っています。

13日に放送されたフジテレビの「バイキング」でMCの坂上忍さんが「若手の月給5万円は正当なもの、僕らのときもそうだった」と芸能事務所側を擁護する発言をしましたが、SNS上ではこの”自分たちもそうだったのだから”という理屈で旧態依然とした芸能界の伝統を肯定するのは如何なものか、という批判的な意見が飛び交いました。

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清水富美加に対する坂上忍のコメントに批判が殺到

歯に衣着せない発言で人気を集める坂上さんは、視聴者から見れば庶民の意見を常識を持って代弁してくれるタレントのアイコンであり、その歯切れの良さが現在「バイキング」を人気番組に引き上げた要因でもあります。

そんな視聴者の熱い信頼を集める坂上氏ですら、芸能界の体質については体育会系のノリで「若いうちは苦しくて当たり前」というスタンスで発言してしまうのですから、芸能界とは一般社会とは程遠いよほど特殊な常識が蔓延した異世界ということなのでしょうか。

もちろん芸能界を一般社会と同一視するつもりはありません。一般庶民に日常とはかけ離れた非日常的な夢を与えるのが芸能人の役割ですから、一般の社会とは違う良識が存在することも想像できます。かつてはテレビ番組の内容自体も視聴者から抗議を受けるようなぶっ飛んだものが少なくなかったですし、芸能人の中でも一般常識を逸脱した俳優やタレントが多くいました。昭和の頃には視聴者も「○○局のバラエティはバカばっかりやっている」「タレントの○○がまた逮捕された」など、芸能界や芸能人に対して抗議することはあっても、半ば仕方ないと諦めて受容していたような風潮がありました。

しかし、近年はコンプライアンス重視との考え方から、庶民よりの番組が増えかつては当たり前のように行なわれていたバラエティー番組のフォーマットは企画できなくなりました。テレビの中の世界にも一般常識を求めるようになり、それがスタンダード化してしまったわけです。

テレビが時代の最先端メディアとなり面白い番組が溢れていた時代を体験してきた世代が大人になり、家庭を持つようになった途端にそのテレビの内容に規制を求めだしたのです。多様化した社会の中で自分たちの子供には自分が育った時とは違う「ためになるもの、当たり障りのないもの」を見せた方が常識的な大人に育つ、とでも思ったのか?理由はわかりませんが、とにかく80〜90年代のテレビが面白かった時代の体験者が昨今のTV番組を大人しいものばかりに変えてしまった元凶である事は間違いありませんが、今回はその件については是非については触れません。

そんな一般常識を求められるようになってしまったテレビ界・芸能界ですので、例えば犯罪を犯したタレントや俳優が刑期を終え「芸能界に復帰か?」という話題が出ると、「一般社会ではそうはいかない」などの辛口コメントに視聴者はカタルシスを感じ喜びます。しかし、今回の出家騒動で清水さんが「休みなく働いて月給5万円だった」と公言すると「芸能界はそういうところだから」と意見を踏みにじろうとするのはいささか疑問に感じます。

芸能事務所に所属して給料を受け取るという形で「就職」しているのなら、毎日働いて月給5万円だけというのは一般社会では完全なブラック企業として厳しく非難されるでしょう。タレントが事務所に所属することを「就職」と捉えるのはケースによっては当てはまらないかも知りませんが、清水さんは少なくとも芸能の仕事以外にアルバイトをして生活費を稼ぐのが当たり前の下積みの芸人や俳優の卵のような立場ではなかったはずですので、芸能活動という本職一本で生活をしてきたわけです。

家賃などは事務所が払ったりと、5万円で全ての生活費をまかなっていたわけではないでしょうが、何れにしても若い女性がそれなりに心身ともに健康な生活を送るために必要な生活費として月5万円というのは、一般常識という物差しで計った場合には少なすぎるのではないでしょうか?あくまでこれは清水さんがブレイクする前の話で、売れだしてからはもっと多くの給料を受け取っていたともされていますが、そのような時期があったことは事務所も認める事実となっています。

安月給が当たり前という風習が今もまかり通っている芸能界ですが「あまちゃん」で大ブレイクした能年玲奈さん(現:のん)が独立騒動を起こした時にも「月給5万円」というフレーズが聞かれました。当時の能年さんと今回の清水さんの所属事務所は同じ事務所です。この事実だけを見て一般視聴者は何か感じることはないのでしょうか?

坂上さんは「追い込まれていたのはわかるけど、8年間も所属した事務所に対する配慮がない」「事務所や業界批判のツイートをしている」と厳しい意見を述べ、「精神状態を壊したまま次の日も仕事来いよというのは酷ではないですか?」と擁護したフィフィさんに対しては「出家したっていいって言ってるじゃん、やり方だよ。これを認めちゃったら何でもありになっちゃうじゃん」と反論しました。

また、清水さんが「嫌だった」としている過去の水着の写真を今でも紹介しているワイドショー番組も見かけますが、この辺りの配慮のなさは甚だ疑問に思います。「番組でやらなくてもネットでいくらでも見られるから」と言って堂々と番組でも配慮を欠く行為をすることは正当化してよいものでしょうか?

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清水富美加騒動は宗教問題ではなく労働環境問題として考察すべき

バイキングでも、他のワイドショー番組でも、清水さんに対する意見の大半は「多くの関係者に迷惑をかけた状態で辞めるやり方は如何なものか」というもの。宗教との関わりは本来分けて議論されるべきだろうが、特殊性から混同して語っているコメンテーターも多く、問題を複雑化させています。

コンプライアンス問題に過敏なテレビというメディアと密接な間柄の芸能界や芸能事務所。坂上氏のような業界内に意見を言える立場の人間がこのような古い体質を継承してしまっていては業界自体の改革が進むことは全く期待できないのではないかとやや心配な気持ちになってしまいます。

同じくフジテレビの「とくダネ!」ではMCの小倉智昭さんも「信仰の自由がありますから出家しようが自由なんですが、何で所属事務所に対する苦言をここまで呈する必要があったのかなと思います」と芸能事務所を擁護するスタンスでコメントしています。小倉さんはワイドショーのMCという立場では様々なしがらみ(スポンサーや関連団体や自身の所属事務所)があり、言いたいことのほとんが発言できないことを以前某番組で述べており、今回も出演者としての発言内容と心の底でこの件に関して感じていることは同じではないかも知れません。坂上さんと同じく小倉さんのような業界の重鎮ですら、芸能界や事務所の旧態依然体質については意見できないという現状があることに、業界内の悪しき風習の根深さを感じざるをえません。仮に坂上氏や小倉氏がそのことに気付いてすらいないのならさらに問題の闇は深いように思います。

今年に入って松本人志さんが「ワイドナショー」の新春特番の中で、ワイドショーが扱うニュースに偏りがあることに関して

「今やネットでさんざん上位に上がっているのにワイドショーで取り上げられない違和感にそろそろ気づいてほしい」
「そうしないとテレビは時代遅れになっていくし、芸能界って変な世界だなって一般社会と離れていってしまうのが悔しい」
「一番損をするのはタレントだと思う。視聴者がだれも芸能界を信用してくれなくなるのはイヤだなと思います。」

とテレビ業界の裏事情が芸能界を衰退させていく要因の一つであると問題提起するような発言をし話題を呼びました。民放番組とスポンサーという関係性から、これは仕方ないことなのですが、未来永劫これを良しとしているとテレビはインターネットにますますユーザーを奪われ、メディアとして力を失っていくことは避けては通れなくなるでしょう。

旧態依然の体質を内部から浄化し、一般社会とあまりにも乖離した常識だけが横行する業界のあり方を見直すことに着手しなければ、芸能ニュースが取り上げられるたびにワイドショーの内容全てが視聴者に白々しく映ってしまうような事態にもなりかねません。あるいは既にそのような空気を感じている視聴者は少なくないのです。

清水さんの問題がどのような収束を迎えるのかわかりませんが、この問題を宗教問題とは切り離して、芸能界の労働環境問題解いう視点からも多くに人に考えてもらう機会になれば嬉しいです。視聴者は自分が応援するタレントが心身ともに健康で活躍している姿を見たいのですから。

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