「IQ246」最終回視聴率は7.8% 豪華キャストだったが映画化は絶望的

織田裕二の怪演が話題呼ぶも目に余るご都合主義ドラマ
IQ246最終回視聴率は7.8%

18日、TBS系ドラマ「IQ246〜華麗なる事件簿〜」最終回が放送された。

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織田裕二が扮する大資産家の末裔でIQ246の天才・法門寺沙羅駆が数々の難事件を解き明かし、裏で全ての事件を操るIQ300のマリアTとの対決に挑んでいくというストーリー。

初回の視聴率は13.1%と好スタートを切ったが、2話目以降は緩やかに数字が低下、最終話は裏番組の日テレ系「FIFAクラブワールドカップジャパン2016 Rマドリード-鹿島」戦が26.8%の高視聴率を記録し「IQ246」はその影響をもろに受けてしまい平均視聴率は7.8%と初回以降の最低視聴率となってしまった。

しかし、仮にクラブW杯の中継がこの日なかったとしても「IQ246」最終回は低視聴率を免れることは出来なかった可能性が高い。なぜなら、放送回を重ねるたびにドラマの設定の稚拙さが目に余るほど顕著となっており、視聴者の興味・関心をつなぎとめておくのが難しいレベルにまで達していたからだ。

ドラマをご覧になっていなかった方にも「IQ246」がどんなドラマだったかを説明するとすれば、感じ方は人それぞれなので一概には言えないが、恐らく多くの視聴者が”近年類を見ない超ご都合主義ドラマ”と感じたのではないかと勝手ながら想像する。

織田が演じる法門寺沙羅駆は貴族の末裔なのだが刑事でも探偵でもない人物。IQが高すぎるために暇つぶしで難事件の解決に首を突っ込んでいる、というのが基本設定。この時点でリアリティが全くなく、ストーリーを展開するためだけに法門寺を始め周囲のキャラクターも記号化された登場人物がただ配置されているという印象を受ける。

つまり感情移入することができない、のめり込むことができないという致命的な弱点を持ったドラマと言える。

織田裕二や、執事役のディーン・フジオカ、警護係の女刑事・土屋太鳳など出演者は好感度が高く、それぞれの人物像を見事に演じていたように思うが、いかんせん設定や展開が「????」だらけ。

全ての事件の黒幕である中谷美紀演じるマリアTが、犯罪者予備軍をPCなどの監視カメラ経由で見つけ出し犯罪を誘導しているのだが、その監視カメラの映像をチェックできるという設定がかなりご都合主義。それに監視出来たとしても犯罪者予備軍を見つけ出すなんてどれだけの人数をどれだけの時間モニタリングをすれば見つけ出せるのか?そのあたりの描写もドラマ中には出てこないので毎回起こる犯罪そのものや犯罪者の存在感のリアリティがゼロ。

マリアTが指示した殺人の手法が果たしてIQ300の人物が発想するレベルのものかどうかは別問題として、監視カメラで見つけ出した犯罪者予備軍に犯行を促して実行させるというのが、実に薄っぺらい設定で説得力がない。「このビデオを見たら一週間後に死ぬ」という「リング」の荒唐無稽の設定の方がまだマシなくらいだ。

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沙羅駆がマリアTの仲間と疑われ拘置される回でも、世間が大騒ぎになっているというようなセリフのやり取りはありながら、沙羅駆に対する世間の反応を具体的に描写したシーンが全くないため、ここでもリアリティが全くなし。登場人物たちが内輪だけの話で盛り上がっているようにしか感じられない回だった。

マリアTが世をしのぶ仮の姿として監察医をしていたが、監察医の助手の足利のマリアTに関するリアクションが一切描かれていない点も不自然さしかない。

9話・10話と沙羅駆への「射殺許可命令」がマリアTによって発令されたが、この指令も許可なのか命令なのか曖昧。架空のセンテンスという解釈でいいのかもしれないがリアリティがないので展開をどう見たらいいのか難しい。執事の賢正が影武者となって機動隊の目を沙羅駆からそらす場面では、執事のカムフラージュだとわかったにも関わらず機動隊が真後ろで逃げている沙羅駆を全く追おうとしないのもありえない場面だ。

屋敷での沙羅駆とマリアTの薬のロシアンルーレットのような命をかけたゲーム。毒薬入りの薬の山からお互い相手が指示した薬を飲んでいくのだが、最後に毒薬にあたったマリアTに沙羅駆が「この方法なら私を殺せたのになぜそうしなかった?」みたいなことを問いただす。この方法でどうやれば相手をはめることが出来たのか、一切説明はないので説得力ゼロ。

その後、マリアTの胃を洗浄して生かし続けたり、今までの殺人の犠牲者への償いと言ってIQを下げる首輪をマリアTにはめたり、安い漫画のようなご都合主義で大団円を迎える。

沙羅駆とマリアTがずっと人類の未来とかについて会話をしているが、上っ面ぽさがひどすぎてちっとも頭に入ってこない。IQが高すぎる者同士の会話だから一般人にはわからない、などといった狙いが隠されている訳ではなく、おそらく破綻した設定によって生み出された不自然なストーリー展開を収束させるための強引で退屈な、ただただよくわからない会話なのだ。

テレビ局の意向としてはもしかすると「IQ246」は評判さえよければ続編や映画化などいうプロジェクトもあったのかも知れない。キャストは申し分ないスター揃いだし「神の舌を持つ男」ですら映画化してしまったTBSだけに「踊る大捜査線」を終えた織田裕二を使って自局からのヒットシリーズを誕生させたいという思いがきっと制作サイドにはあったのではないか?しかし、ドラマの設定の曖昧さ、実際の視聴率を見る限りでは、映画化という暴挙には出ない方が無難だろう。

IQ246という人間離れした高い知能指数の主人公の物語を確立させるにはIQ246を持つ脚本家が必要なのかも知れないが、それは無理な話。だったらせめて「なるほど!!」と感心させられるようなIQ246を持つ人物のそれらしさをもう少し丁寧に掘り下げて描いて欲しかった。作り物なのだからいかに人物や設定にリアリティを持たせるかが重要なのではないだろうか。

それでも何があるかわからない世の中、奇跡的にこのドラマが映画化された暁にはドラマの反省を生かした高いクオリティの作品に仕上がっていることに期待したい。

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