除夜の鐘に「うるさい」と苦情・クレームで中止の寺院が増殖中

伝統行時や風物詩に近隣住人からのクレーム相次ぐ

除夜の鐘「うるさい」のクレームで中止相次ぐ

大晦日、日本全国各地のお寺で鳴らされる「除夜の鐘」。諸説あるものの、主に人間が持つ108つの煩悩を払うためというのが最も知られた由縁で、除夜の鐘を聞かないと新年を迎えた気がしないと感じる年代の方もいるのではないだろうか。そんな日本の風物詩の除夜の鐘に対して「うるさい」という苦情やクレームが寄せられ、鐘つきの中止を決める寺院が増えているという。

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東京都小金井市の住宅街の中にたたずむ千手院は、100年以上の歴史を持つ由緒ある寺院であるが、今年は除夜の鐘を中止するという。3年前の建て替え工事の際に、鐘の位置がそれまでの本堂内の小屋の中から、近隣住宅とわずか3mの道を挟んだ場所に移されたため、住民との騒音トラブルの問題が調停にまで発展した経緯があるという。四方が住宅に囲まれているという立地条件を考慮すると、除夜の鐘中止の判断もやむなしと思えなくもない。

静岡県牧之原市の大澤寺では、やはり近隣住民からのクレームがもとで、およそ10年前から除夜の鐘を中止している。近年では鐘つきの開始時刻を昼過ぎからに早めて「除夕(じょせき)の鐘」と銘打ち、夜には鐘がつき終わるようにするという苦肉の策をとっている。もととなったクレームはたった一人の住人からの電話とのことだが、怒り具合が尋常ではなかったため意向に沿うように対応を決めたという。

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除夜の鐘以外でも「盆踊り」に対してうるさいというクレームが寄せられたり、餅つき大会や豆まき大会が衛生的ではないからと中止を求める声が高まっている地域が増えてきているという。秋田のナマハゲが「子供が怖がるから」というクレームのせいで優しい鬼に変更を余儀なくされているケースもあるという。

クレームを言ってくる側にはそれ相応の言い分があるのだろうが、日本の風物ともいうべき伝統行事や地域行事が一部の人の苦情によって存続できなくなってしまうのは非常に残念な流れだと感じる。

一つ一つの行事が子どもの時に体験すれば掛け替えのない思い出となる貴重な経験のはずなのに、その機会となる行事を廃止してしまうことは、感性豊かな時代の子どもたちが貴重な経験を積むチャンスを奪ってしまうということ。

大人が考える安全主義や個人主義なども結構だが、過剰になると子どもが本来持っている”未知の経験をすることの権利”を奪ってしまいかねない。大人の感情だけが暴走しないようにしたいものである。

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