淀川長治さんの映画解説でおなじみだった日曜洋画劇場が完全終了に

日曜洋画劇場が終了へ

2017年春の番組改編に伴い、テレビ朝日の「日曜洋画劇場」が終了することがわかった。

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同番組は2013年から現在の「日曜エンタ」の枠内での不定期放送にシフトチェンジされたが、この度の改編を持って完全に歴史の幕を閉じることとなった。

「日曜洋画劇場」は1966年に「土曜洋画劇場」としてスタート、1967年から「日曜洋画劇場」として放送されてきた。解説者は淀川長治さんで同番組から生まれた「さよなら、さよなら、さよなら」のフレーズはあまりにも有名だ。

そういえば、昭和から平成初期までは当たり前のように各局の映画番組に登場していた映画解説者というのが、今ではすっかり見られなくなってしまい寂しい限りである。

昭和の時代には月曜日には「月曜ロードショー」(TBS系)、水曜日には「水曜ロードショー」(現:「金曜ロードショー」日本テレビ系)、土曜日には「ゴールデン洋画劇場」(フジテレビ系)、日曜日には「日曜洋画劇場」と全ての民放キー局が人気映画番組を放映していた。

各番組には専属の名物映画解説者がいて、本編の放送前と終了後に登場して映画の解説をしてくれるのだ。「月曜ロードショー」は荻昌弘さん。その作品の見どころや良さを淡々と頷きながら解説してくれて、押し付け感がないスマートな解説が持ち味だったように記憶している。解説者の方は皆そうなのだろうが、今思えば荻さんはいかにも映画オタクな雰囲気を持っていたような人だった。

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「水曜ロードショー」(〜1985年9月)や「金曜ロードショー」(1985年10月〜)は水野晴郎さんが解説者だった。水野さんの決めゼリフは「いや〜、映画って本当にいいもんですね」。”いいもんですね”の部分はたまに”面白いものですね”などとアレンジされることもあった。水野さんは自分で監督や俳優をしてしまうくらいの映画好きだった。「水曜ロードショー」のタイトルは北海道の人気ローカル旅番組「水曜どうでしょう」の元ネタにもなるくらい、昭和世代には馴染んだ響きなのである。

「ゴールデン洋画劇場」は体調を崩される前までは高島忠夫さんが解説者を務めていた。子供ながらに高島さんについては他の映画解説者と違って「ドレミファドンの人が解説もやっている」という感覚で見ていたように思う。高島さんの解説というのも今思い起こしてみると、高島さんのエレガントな雰囲気が「映画」という最高のエンターテイメントへのナビゲーターとしてめちゃめちゃ適役だったと思う。

そして「日曜洋画劇場」の解説は淀川長治さんだ。映画好きのおじいちゃんが自分に1対1で語りかけるように解説をしてくれる。「ホントにホントに」とか「すごいすごい」とかの繰り返す口調が特徴で、本当にこの人も映画を愛している人なんだろうなぁという気持ちで見ていたように思う。別れ際に「サヨナラ」を3回繰り返すのは3世代の家族へ向けてという意味だとか聞いたことがあるが真相は知りませんが、淀川さん以外にサヨナラを3回いう人は先にも後にもいませんね。まさに心から離れることのない名フレーズだと思う。

そんなわけで、映画番組から映画解説者が姿を消してずいぶん経つので私も寂しさは感じながらもいい加減慣れたのも事実。しかし、今回の改編で「日曜洋画劇場」という映画番組自体が姿を消してしまうのは非常に残念で仕方ない思いである。生活様式が多様化した現在の家庭においてテレビでの映画番組へのニーズは確かに少ないかも知れない。好きな時にDVDを借りて家族で観ればいい、と言われれば確かにそうだ。

しかし、私のような昭和世代の「その時にテレビで観るしかない」という状況で多くの映画作品を鑑賞してきた体験を持つ者にとっては、映画番組はテレビの中でも特別な位置付けにある。昭和の時代に家族みんなで見たテレビロードショーの数々の作品。その数だけ家族との団欒の思い出も胸にあり、思い出すだけで少しセンチな気分になってしまうのだ。

日曜洋画劇場の50年間の歴史にただただ感謝したい。

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