蓮舫議員の二重国籍問題、嘘が招く民進党最悪のシナリオ

二重国籍とは

民進党の蓮舫議員の二重国籍問題。一躍クローズアップされることとなった「二重国籍」とはどのようなものなのか改めて解説してみたいと思います。

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二重国籍は「多重国籍」「重国籍」とも呼ばれ、文字通り国籍を複数持っている状態のことを指します。

通常、国際結婚など両親がそれぞれ違う国籍を有する場合に、その間に生まれた子供は親の居住国の法律に基づき国籍が決定しますが、その国によって取得できる国籍を自国の一つだけと定めている国と、両親のどちらの国籍も同時に取得できる国が存在します。つまり後者のケースが二重国籍が認められる場合となります。

単一の国籍のみ認める国には親のどちらかの国籍が子供の国籍となる「血統主義」と、その国で生まれた時点でその国の国籍が与えられる「出生地主義」の2つ形式があります。また、これらの国でも条件付きで二重国籍が認められる場合があります。

ちなみに日本では1985年の国籍法改正までは、国籍の異なる夫婦間に生まれた子供に付与する国籍は父親の国籍のみとされる父系血統主義となっていましたが、法改正により日本人の母親の子にも日本国籍が付与される父母両系血統主義が採られることになりました。

そして、二重国籍の状態となっている子供は22歳までにどちらか一方の国籍を選択しなければならないと定められており、国籍選択宣言を行なうか、一方の国籍を離脱しなくてはならないのですが、国籍選択宣言は外国籍を持ったままでも可能な上、一方の国での法的な効力を持たないため、形骸的でグレーな法律となっている現状があります。

蓮舫氏の「記憶違い」それとも「嘘」?実際は残っていた台湾籍

問題となっている蓮舫氏のケースでは国籍がどのように定められていたのでしょうか。

台湾人の父と日本人の母を持つ氏は生まれも育ちも日本。もともと台湾語も中国語も話せず、大学時代に北京に留学し初めて中国語話せるようになったとのことです。

氏は17歳の時に日本国籍を選択し、父親の手続きのもと自身の台湾籍を抜く作業を済ませたと言う認識を持っていたとインタビューで答えています。しかし台湾当局に確認作業をしたところ手続きが行なわれておらず、実際は台湾籍を持ったまま日本国籍も有していた二重国籍の状態にあったわけです。

本人が疑惑発覚後からこれまで一貫して否定し続けていた二重国籍状態が事実であったことで、すでに正式に台湾の国籍を抜く手続きの申請を改めて行ない、数近日中には正しく日本国籍のみを有することとなる蓮舫氏ですが、この一連の騒動が今後の政治活動に与える影響は少なくないと見られています。

本人は「記憶の不確かさでご迷惑をかけた」と謝罪をしましたが、本人にその意図があったにしろなかったにしろ世間一般には「嘘をついていた」という短絡的な認識をされることになるでしょう。

この悪いイメージが、氏が現在党首選にも出馬中である民進党の今後に大きなダメージを与えることになりそうです。

蓮舫氏の後手の対応が命取りになることも

そもそも日本では国会議員や閣僚になるには日本国籍はもちろん必要ですが、多重国籍の状態にあることは違法ではありません。法的には日本国籍にする努力義務のみが規定されています。倫理上の問題から今回の蓮舫氏のようなケースが起こった場合は日本国籍のみに整えることが客観的には望ましいかも知れませんが、あくまでも法律上は問題はないのです。

現民進党代表の岡田氏も蓮舫氏が代表選に出馬したことについては党の多様性の象徴と受け止め歓迎しています。

今回の問題では蓮舫氏が多重国籍だった事実そのものよりも、むしろその対応が常に後手に回ってしまったことではないでしょうか。

仮に疑惑が発覚した当初、すぐに事実確認をして台湾籍が消されていなかったことが分かった時点で、その事実をありのままに報告さえしていれば問題はここまで大きくはならなかったことは容易に想像できます。

しかし実際の蓮舫氏のマスコミ対応は、頭ごなしに自らの潔白を強気とも言える態度で主張し「すでに台湾籍を持たない日本人です」と言い続けていました。

結果的に重国籍だったことで、対応が後手に回る人物だという悪い印象を多くの人に与えてしまいました。これは新スタートで弾みをつけたい民進党にとって大きな痛手ですし、蓮舫氏を支持していた国民にとっても「党首になっても様々な対応が後手に回ってしまうのでは」と想像させてしまい水を差される結果となりました。

民進党は与党時代の迷走ぶりによって未だ国民からの信頼を回復できていないため、多くの議員は国民に耳を傾けてもらうことすら出来ないという現状に苦しんでいると言われています。ところが、蓮舫氏の場合はそれなりの知名度もあり、他の議員とは自身を取り巻く環境に大きな差異があり、党の危機感を共有できていないのではという見方をされることがあります。

今回の国籍問題、またそれに対する氏の対応について国民感情を正しく重く深刻に受け止めることが出来ず、軽々しく捉えていると蓮舫氏は痛い疾病返しを被ることになると覚悟しておいた方が賢明でしょう。

自らが切り札となるはずだった民進党の勢いと信頼は失われ、二度と這い上がってくることが出来ない谷底まで党もろとも心中せざるをえない、そんな最悪のシナリオだけは避けねばなりません。

この原稿を書いている時点で民進党代表選挙は明日に迫っています…。

国籍をめぐる有名人の問題の事例

余談ですが今回の蓮舫議員の事例にとどまらず、二重国籍に関するエピソードはこれまでもたくさん存在します。

アーティストの宇多田ヒカルさんは、両親が日本人でありながら出生地がアメリカであったためアメリカの国籍を持ち、両親ともに日本人であるため日本国籍も有する二重国籍状態であったことは有名です(現在は日本人となっています)。

王貞治さんは日本生まれの日本育ちですが、母親が日本人、父が中華民国時代の中国人のため今でも中華民国籍です。1977年に国民栄誉賞を受賞されましたが、これは「栄誉を与えられる日本国民」に対しての褒賞ではなく「日本国民が栄誉を与える褒賞」であるため、日本国籍の所持は要件にはないためです。

大相撲の世界では相撲協会の規定に則り、親方になれるのは”日本人”とされています。しかしこれまでに現役時代の実績が認められ、日本国籍への変更によって親方になった力士もいます。高見山(アメリカ)、武蔵丸(アメリカ)、琴欧洲(ブルガリア)、旭天鵬(モンゴル)らは皆もともとの国籍を日本国籍に移すことを選択しました。横綱・白鵬は誰もが認める現役最強力士ですが、現時点ではモンゴル国籍のため親方になることはできない立場にあります。

オリンピック出場のために2011年にカンボジアに国籍を移したお笑い芸人の猫ひろしさんのケースは「国籍自由の原則」という考えのもと国籍の変更の自由が認められているため実現できているケースです。

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