水素水は「効果なし」 国民生活センターの調査で明らかに

水素水の健康面への効果は根拠なし

水素水は効果なし

美容やアンチエイジングに効果があるとして人気の高い「水素水」だが、そのような効能が実際にはないことがわかり話題となっている。

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国民生活センターが水素水10銘柄と水素水生成器9機種対象に行なった表示・広告・溶存水素濃度・アンケート調査の結果が今月15日に発表されたが、水素水が健康面で有効とされる根拠は残念ながらなかったという。

消費者の水素水に対する素朴な疑問

もともと多くの消費者の気持ちの中には、目に見えない水素が溶け込んでいると言われても果たして本当だろうかという潜在的な疑問があった。そしてその健康面での効果についてもどこまで信頼できるものなのか、その検証が行なわれることが望まれていた。

PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)には2011年以降2016年9月までに2,260件もの水素水に関する相談が寄せられていたことからも、消費者の水素水に対する情報へのニーズは高いものがあったと言えよう。

国民生活センターのテスト結果

水素水に関する国民生活センターの調査1
出典:国民生活センター報道発表資料
水素水に関する国民生活センターの調査2
出典:国民生活センター報道発表資料

1】溶存水素濃度等に関する表示・広告について

①容器入り水素水10銘柄のうち7銘柄のパッケージに水素濃度が高いことが謳われ、数値での表示もされていた。

②また、水素水生成器9銘柄のうち5銘柄の取扱説明書に溶存水素濃度の表示があったが、水質・水量などの条件によって値が変化することも書かれていた。

2】溶存水素濃度に就て

①充填時や出荷時の水素溶存濃度が表示されていた5銘柄のうち3銘柄が表示よりも実際の測定値の方が低い濃度だった。また、パッケージに濃度の表示がない3銘柄中2銘柄では水素ガス自体が検出されなかったたという。

②溶存水素が確認された容器入り8銘柄を未開封の状態で一ヶ月間20℃の環境下で保存したところ、8銘柄すべての溶存水素濃度が低下した。

③同じ8銘柄を開栓後、フタをして放置したところ5時間後には水素濃度が開栓時の30%〜60%に減少し、24時間後には約10%にまで低下した。

④溶存水素濃度の表示があった生成器の銘柄で、実際の測定値の方が低いものがあった。

⑤生成器で作った水をコップに移したところ1時間後には濃度が50%〜60%に下がった。

3】効能効果等に関する表示・広告

①容器入り水素水10銘柄のうち8銘柄、生成器は9銘柄のうち7銘柄がホームページ等に効能効果を掲載していたが「悪玉活性酸素を無害化する」など一部の表現は医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがある内容だった。

②容器入り4銘柄、生成器2銘柄のホームページ等及び1銘柄の商品パッケージに「老化から守る」「アトピーへの効果」「悪玉活性酸素を無害化」「血液サラサラ」などの記載がされており、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがある内容だった。

4】事業者へのアンケート調査

①水素の充填方法について、ペットボトル容器2銘柄以外は加圧下での水素ガス充填方式を採用していた。

②調査対象の全ての事業者が溶存水素濃度を自社確認しているが方法は様々。

③ユーザーが水素水生成器の正常な作動を確認する方法については「泡が出ているか」を確認したり「pHや本体の目安表示」にて確認。

④溶存水素濃度を保つには、開栓後や生成後は速やかに飲むこと。アルミパウチの銘柄6社は飲みきれない場合は空気を抜いてフタを閉めることを推奨。

⑤水素水に期待できる効果について最も多い回答は「水分補給」(15社中11社)だった。続いて「美容」(15社中4社)「アンチエイジング」(15社中3社)「ダイエット」(15社中2社)「疲労回復」(15社中2社)となった。

⑥調査対象17社中9社が自社商品や自社生成器で作った水素水の機能について調査・研究をしている。

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水素水の効果を立証するデータは存在せず

以上のような調査結果から、水素水に関する健康面での効果を具体的に示すデータは得られなかったわけである。

もともと水素水の健康的効能が信用されてきたのは医療機関が疾病患者に対し行った予備的研究の結果が広く知れ渡ったためであり、市販品の水素水や家庭用の生成器で作った水素水でも同様の効果が得られる訳ではないという。というより、今回の調査結果によれば期待はほとんどできないと言っていいだろう。

現在は特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として許可・届出された水素水は1銘柄もないというから、今後も各事業者が研究開発を続けていくことで、トクホ取得や機能性表示食品などの健康をサポートする水素水が誕生する日が来るかも知れないが、今回の調査によって水素水への幻想を打ち砕かれた多くの消費者が市場から離れていくことは確実なだけに、いつまで水素水ブームが続くのか、巻き返しはあるのか、いずれにしても水素水の未来は現在のところ多難と言わざるをえない。

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